今回は身体能力を高める最強トレーニングの一つである「ハイクリーン&パワークリーン」を紹介します。
ハイクリーン(High clean)は海外ではパワークリーン(Power clean)と呼ばれています。
ハイクリーン(=パワークリーン)という認識でお話ししていきますね^^
ハイクリーン&パワークリーンの特徴は?
ハイクリーンは身体能力を向上させるのに非常に有効な種目です。
最大筋力を評価するウエイトトレーニング種目(ベンチプレス・スクワット・ハイクリーン・スナッチ)とハンマー投記録との関係を調べたところ、ハイクリーン最大挙上重量との間にのみ有意な正の相関が認められたと報告されています。
簡潔にまとめますと、
ベンチプレスやスクワットの強さは、ハンマーを遠くに投げる能力には直接関係ない。
しかし、「ハイクリーンの強さ=ハンマーを遠くに投げる能力は強い関係がある」ということです。
プラスαの知識として、
ベンチプレス、デッドリフト、スクワットなど様々な筋トレ種目と短距離走の関係を調べた研究によりますと、
「ハイクリーン、スナッチ、スクワットジャンプが最も走力UP」と関係の強いトレーニングとのことです。
またジャンプ力の向上も筋トレ種目の中ではハイクリーンがトップクラスです。
パワークリーンは、胸板を厚くしたり、腹筋をバキバキに割ったり、といった見た目の変化への貢献度はそれほど高くないです。
「速く走る」「高く跳ぶ」「遠くに投げる」といった身体能力を高める、いわば「肉体の機能を高める」効果はあらゆる筋トレ種目の中でも、最高クラスです。
アスリートは是非この種目をマスターしたいところです‼️
ハイクリーン方法を伝授!
最初の一回目にやった動き、地面からバーベルを上げて肩に載せるのがハイクリーンです。
動画はバーベルの握り方(フックグリップ)、挙げ方のコツも解説しています。
ハイクリーン(一連の動作)
肩幅程度に足幅を取り、手幅は足幅より少し広く取る。
①背筋と腕をしっかり伸ばして、胸を張り、脚にそってバーベルを引き上げる(ファーストプル)
②バーベルが膝を通過した当たりで床を強く蹴り、バーベルを肩まで引き上げる(セカンドプル)
③肘を前方に突き出すように手首を返し、バーベルを肩の上(鎖骨の上)に載せる(キャッチ)
フォームの注意点とは!?
ちなみにこの動画、めちゃめちゃ解説が分かりやすくおすすめです‼️
持ち上げる時、腕の力はほとんど使いません。
腕はバーベルを吊り下げるフックです。
脚と背中の筋肉を使ってバーベルを持ち上げます。
セカンドプルではバーベルを肩まで引き上げますが、この時も腕の力はほとんど使いません。床を強く蹴り、その反動で肩までバーベルを上げます。
床を蹴った時に身体が一瞬だけ宙を舞う(ちょっとだけジャンプする)感覚を身に付けましょう。
キャッチでは、バーベルの重さを支えるのは腕ではなく肩です。
キャッチする時は手でバーベルを握らず、指先で引っ掛けるだけにします。
ギュッとバーベルを握りこんで腕でバーベルを受け止めると、腰が反れて、腰を痛めるフォームになってしまいます。
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プラスα
キャッチの時にバーベルを肩に載せ、バランスを取る感覚を身に付ける練習としてフロントスクワットが有効です。
フロントスクワットは、頭の後ろでバーベルを持つ普通のスクワットと比べてかなり難しいです。
フロントスクワットのしゃがみ込みの姿勢と、パワークリーンのキャッチの姿勢は一緒なので、フロントスクワットが出来るようになればパワークリーンのキャッチも上達すると考えています。
重量の設定を考えよう!
まず、「重りを付けずにバーだけでフォームの練習」をします。
バーだけでそこそこキレイなフォームで出来るようになれば、1~2ヶ月くらい10回程度持ち上げる重さで行いましょう。
動作に慣れ、フォームが出来てきたなら4~6回程度上がる重さに設定しましょう。
ここまでくれば、時々MAXに挑戦したり、2~3回しか持ち上がらない重さに挑戦したり色々変化を付けてみると良いです。
スクワットやベンチプレスのような一般的な筋トレは8~10回で限界が来るぐらいの重さが一番筋肥大に有効と言われています。
一方でパワークリーン、スナッチのような「瞬発力」を鍛える種目は5回程度で限界が来る重さに設定する方が良いです。
瞬発力・バネ力・神経反射を鍛えるなら最強かも!?
ハイクリーンは主に脚、背中の筋肉が鍛えられる種目ですが、バネを使って「一瞬で力を出し切る」という点がスクワットやデッドリフトといった他の種目と大きく違います。
ハイクリーンは「走る」「跳ぶ」「投げる」といった動作を強化する最重要種目です。
陸上の短距離、跳躍、投擲種目の強化を目指す人はもちろんのこと、ダンクシュートを決めたい人、速い球を投げたい人などもパワークリーンを取り入れるべきです。
日本人で最も身体能力が高いとウワサされるハンマー投げの室伏選手は190kgのパワークリーンが出来るそうです。
パワークリーンを一言で表現するなら「瞬発力!」です。
カッコイイ胸板を作りたい、逆三角形の背中を作りたい、といった見た目の改善をするには適さない種目ですが、スポーツに生かすのであれば
『パワークリーンほど重要な筋トレの種目はない』
と言っても過言ではないかもしれません。
応用編をアップします!
栗原崇選手のクリーン応用動画です。
片足のクリーンで、ここまで安定して行える人は、アスリートの中でも少ないでしょう。
皆さんに、トレーニングの奥深さや楽しさが伝われば嬉しいです。
karada@pressでした。
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